【ゲーム系の専門学校について ~1年生夢見るボーイミーツガール編~ その1】

【ゲーム系の専門学校について ~1年生夢見るボーイミーツガール編~ その1】

昨日仕事中にゲーム(CG)系専門学校の話になったので、そのことについて。

私自身、ゲーム系の専門学校に3年間通いゲーム会社に入社、そして転職を行い現在はCG映像会社に勤めているので、自分の経験をもとに専門学校のアレコレについてはなそうと思います。


まず、私の経験談から
私が入学した学校だが、3年生のゲーム系CG学科で、生徒数は25人程度の2クラス男女比は
男2:女1といった感じだ。

一般の公立高校から夢を抱いてこの学科に入った人はにわかに信じられないかもしれないが、このうちの3分1は一年の夏休み明けごろに「「いつの間にかいなくなる!!」」

そう、「いなくなる!!」のだ!
あからさまな【いじめ】【体罰】【セクハラ】そんなもの何にもないのに、学校に来なくなるのだ。
大学の学費よりも余裕で高い学費を納め、学校の真横の高い寮に入寮してるのにいなくなるのだ。
これは私の学年だけの話ではなく、先輩、後輩の世代でもそうだったし、ゲーム会社時代の同僚たちの通っていた様々な専門学校でもそうだったので、ワールドスタンダードでござる。

スタートしていきなり3分の1がいなくなるってどこの「バトル・ロワイヤル」だよって感じだが、たけしみたいな先生はどこにもいないから安心してほしい。

こなくなった原因だが、私の知る限りほとんどの奴が「そういう奴だった」だけである。
もともと、中高で不登校気味の人が、ゲームが好きで専門学校に来るが、やはり学生生活になじめずにこなくなる。特に夏休み明けごろになると【できる人】【できない人】の差が明確にわかり始める時期なので、その差を感じ取るのをきっかけにしてこなくなるのである。

ここでこのいなくなる生徒たちが勘違いしているのは、自分に才能がないと思っていることだ。
はっきりいって3ヵ月かそこらで、ちょこちょこ授業でやった程度で才能のあるなしなど到底わからないし、この業界はある程度のラインに達してさえいれば、才能なんてなくたって就職するのは簡単な話なのだが、この3分の1の層はいなくなってしまう。

業界の発展を願う私としては、この層を救えないか結構いろんな人と議論してみたのだが、正直答えは出ていない。この層は現状「どうしようもねぇ」というのが私の現在の見解だ。

さて、夏休みが終わり3分の1が謎の失踪をとげた、私のクラスだがそこからはある程度順調に進んでいく。みなさんティーンエイジャーらしく、恋愛したり、遊んだり、勉強したり、学生らしく学校を楽しむ。

この期間である程度グループができあがっていき、仲間たちと切磋琢磨して勉強していく。
私はこの時にできた友達といまだに交流があるし、はっきりいっての時にできた友達がいるからこそ、専門学校にいってよかった 一番の理由といえる。

今学生の人に声を大にして言いたい。友達を大事にしろと、これからいくゲーム業界CG業界というのは悪鬼羅刹の渦巻く修羅の国(そこまでではないです)、この時にできた戦友こそがあなたの進むべき道にさす光にならんと!


楽しい学生生活が続き、冬も終わりの時期に差し掛かってくると、いよいよ一年生最大のイベント【制作展】に向けての準備が始まる。

 中高生にはわからないと思うが、この業界は【ポートフォリオ】というものをまとめる事がよくある。
履歴書にて、このCGソフト使えます~、フォトショで絵かけます~、なんて書いたところで、実際はどうなんだ?となってしまうので、自分のスキルがどの程度が相手に伝えるために、自分の作品を画像や動画にまとめたもの【ポートフォリオ】を作っていろんな人(企業の人等)に見てもらうのが
【制作展】だ!!(ポートフォリオといったり作品集といったりdemoreelといったりanimationreelといったりいろいろ呼び方があるよ!詳しく知りたい人はdemoreel,animationreelで検索だ!)


【制作展】前、生徒たちは大変不安定な状態になる。自分の作品を人に見せるのだ、しかもプロに、正直何言われるかわかんないし、学生時代ってプロの人ってだけでビビってたので【制作展】のことを考えると夜も眠れない日々がつづく。

この時期に、生徒間でいろいろギクシャクしたり、評価を受ける人に対しての嫉妬からいじめに近いことが発生していたりした。
これは大人になるために罹る病気みたいなもので、どうしよもない部分があるが、この時期に自分に絶望したり、なんとなく学校に行きづらくなったりする人がちらほらでて私のクラスでは2.3人が学校に来なくなり、フェードアウトしてしまう学生がいた。

かくいう私も、この時期に1~2週間ほど学校をさぼり、アニメをただひたすら見続けるという謎の病気にかかってしまった。ただただ現実逃避したくて2次元への扉の開き方を探していたのだ。
異世界転生についての妄想もたくさんしていた気がする。
この病に私はたびたび罹るのだが、たいてい最後は現実と向き合い「やるっきゃないっしょ」となる。(最初からやればいいのにね)

ただ1年の私はどこか煮え切れない謎のジレンマに悩み 「やるっきゃないっしょ」とならず【制作展】からバックレる決意を固める。「にげるっきゃないっしょ」となってしまったのである。
ダメダメな気がするが、今でもこの決断は気に入っている。 大人になる前に悩みに悩みぬいて「逃げる」というコマンドを手に入れたのだ。
このコマンドがなければ私はこの業界でやっていけないと思う。これからもこの価値観は大事にしていきたいと思う。

何人かの脱落者(私です。)を出しつつも大半の人がこの時期を抜け出し【制作展】へ自分の作品を出展する
1年生の【制作展】は2年の【制作展】へ向けての練習みたいなもので、大抵の学生はプロの目に留まることもなく終わり、プロに批評をお願いしてもかなり優しい目で見てもらえる。

無事制作展を抜けたらまた勉強の日々。いろいろな学生らしいことをしながら過ごした。
【制作展】を突破した優秀なものは【作品集】のブラシュアップを続け、この頃になると作品作りに没頭しだす生徒が出てくる。俗にいう優等生である。どんどん作品を上げていき、クオリティもどんどん上がっていく、ほっといても成長できる勢力だ。

 1年生を終えるころの生徒の勢力図は大体こんな感じ 生徒残数15人

①制作展でポートフォリオを出し、作品のクオリティをガンガン上げていく【優等生くん】 2人
②制作展でポートフォリオをなんとか出すことができた【普通くん】 7人
③制作展からバックレた【劣等生くん】 6人

上記が二クラスといった感じです。

いろんな人が辞めていったがこれはまだ1年生の話
2年生は次の投稿で書きます。
あくまで私の学生生活の話ですので、すべてのゲーム系の学校の話じゃないよ!

なぜこんな流れを書くかというと、ゲーム系の専門学校をネットで検索しても大体意見が2極化しているな~と感じたからです。

ゲーム系専門学校最高だよ!楽しいよ!って書かれているパンフレットや公式サイト。

恨みつらみや行く価値がないと書かれている掲示板やyahoo知恵袋

なので、なるべく私が体験したことをベースにいいことも悪いことも書きながら、結論を出さずにあいまいになぁなぁで書いていこうと思います。

コメント

コメントを投稿